論文作成にあたっての注意喚起NEW
2024.11.01
会員各位
日本臨床外科学会
編集委員会
委員長 宇田川 晴司
論文作成にあたっての注意喚起
投稿論文の査読作業をしていますと、論文内に過去の論文の一節と非常に類似した表現があるものを頻繁に見受けます。過去に報告のある疾患について論じる場合、その疾患の概念説明や疫学的記述などに関して、過去の論文と内容的に重なる部分の生ずるのは致し方のないことですが、その表現が細部にわたって重なっていると、いわゆる「コピー・ペースト」であると判断され、投稿規定上の「模倣」にあたるのではないかと疑われることになります。特に、情報源となったであろう先行論文が引用文献とされていない場合には、その事実をもって不採用とされますし、考察の主要部分についてこのような事態が発覚しますと、「模倣」として罰則の対象となる場合もあります。先行論文に類似した内容を表現する場合にも、それは著者の言葉をもってなされるべきであり、参考とした先行論文は、正しく引用論文とすべきです。そのうえで、著者としての新たな視点、主張を盛り込んで、初めて論文として成立します。
以上は論文執筆にあたっての基本的事項と考えますが、この基本姿勢を欠いている投稿を時に見受けますので、執筆者、並びに論文指導者に、改めてご注意をお願いする次第です。