更新日:2020年7月13日
6.乳癌検査の流れ
以下のような流れで検査、治療を決定します。
視触診、マンモグラフィ、超音波 → 異常なし → 終了または経過観察
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乳癌疑い
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病理学的検査(細胞診、組織診) → 異常なし → 終了または経過観察
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乳癌
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広がり診断
遠隔転移の診断 ← CT、骨シンチグラフィ
局所進展の診断 ← MRI、超音波
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病期分類
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治療
視触診、マンモグラフィ、超音波検査
- 初期検査は、視触診、マンモグラフィ(図6.1)と乳房超音波(図6.2)です。
- 視触診は、最も基本的な検査ですが、ある程度の大きさにならないとわかりません。
- マンモグラフィは乳房を挟んで撮影するレントゲン検査です。乳房腫瘤や石灰化などの所見から乳癌を疑うことができます。しかし若年者の様な乳腺組織が発達した人には適さない場合があります。
- 超音波は被曝がなく、乳腺組織が発達している若年者でも乳癌を発見できます。しかし腫瘤を形成しない乳癌には適さない場合があります。
- どちらかの検査が優れているということはなく、長所短所を補完しあっていますので、乳房に異常を認めた場合は両方の検査を受けるべきです。
病理学的検査
- 初期検査で乳癌を疑う病変がみつかれば、細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる病理検査を行います。この検査で乳癌の診断を確定させます。
- 検査方法は、大きく2つに分けられます。細胞診といって細胞レベルで検査する方法と組織診といって、細胞集団の構築から診断する方法があります。
- 細胞診
- 穿刺吸引細胞診:針で刺して細胞を吸引する。
分泌細胞診:分泌物を直接採取する。 - 組織診
- 針生検:針で刺してえんぴつの芯ほどの組織を採取する。
マンモトーム生検:石灰化病変を針で吸引して採取する。
外科生検:病変部位を外科的に切って採取する。
- 組織診は、細胞診より検体の採取量が多いので、より正確に診断することができ、乳癌の診断だけでなく、乳癌の特徴まで調べることができます。しかし、組織診は細胞診より侵襲のある検査のため、どちらの検査を選択するのか主治医とよく相談してください。