日本臨床外科学会 令和2年度優秀論文賞 受賞コメント
原著
日本臨床外科学会雑誌第81巻7号掲載
「緩和手術症例における予後予測指標の比較検討」
順天堂大学医学部附属浦安病院がん治療センター
吉川 征一郎他
この度は栄えある令和2年度優秀論文賞にご選出頂きありがとうございます。予想外の光栄であり、驚きを禁じ得ない思いでございます。
これもひとえに本学石崎教授、水嶋章郎教授、福永正氣特任教授をはじめとする先生方のご指導の賜物でございます。この場にて心より感謝申し上げます。私は現在、消化器一般外科医から緩和医に立ち位置を移しておりますが、外科医である自分がなし得ることについて考えながら患者様に向き合っております。今後も貴学会の一員として、また一外科医として、臨床および研究に真摯に向き合い、患者様のお役に立てるように精進して参りたいと存じます。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
臨床経験
日本臨床外科学会雑誌第81巻9号掲載
「腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)による日帰り手術の短期成績」
東京外科クリニック外科
松下 公治他
この度は、優秀論文賞を頂き、誠にありがとうございます。当院はTAPP法による日帰り手術を始めて、5年が経ちました。これまでに蓄積してきた経験と知識をまとめることで、日帰り腹腔鏡下手術の発展と普及に貢献したいと考え執筆しました。その思いがこもった論文で名誉ある賞を頂き、この上ない喜びです。東京外科クリニックの同志たちの協力に、心から感謝しています。今後は更に低侵襲で安全な腹腔鏡による日帰り手術を目指して、研鑽を積んでまいります。これからもご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。
症例報告
日本臨床外科学会雑誌第81巻4号掲載
「傍腫瘍性神経症候群を契機に発見された乳癌の1例」
鳥取県立厚生病院外科
大田 里香子他
この度は、優秀論文賞を頂き大変光栄に存じます。日頃よりご指導いただいております当院外科の先生方はじめ、ご助言いただきました神経内科の先生にこの場を借りまして心より感謝申し上げます。また、査読いただきました先生、関係者の方々に深く御礼申し上げます。外科医として、あまり馴染みのない神経内科領域の症例報告で苦労しましたが、自分なりに、これからの診療に生かせる内容となるように心がけ、本論文を作成いたしました。今回の受賞を励みとして、より一層、乳癌診療に邁進して参りたいと思います。
日本臨床外科学会雑誌第81巻2号掲載
「孤立性肺転移再発を切除した胃癌の5例」
山形県立中央病院外科
外田 慎他
この度は輝かしい賞を頂戴し、誠にありがとうございます。貴重なご意見をいただいた査読者の先生、編集委員のみなさま、指導医の諸先輩方には、大変感謝申し上げます。本論文では、胃癌切除後の肺転移再発までの期間が長期であれば、肺転移巣を切除後に長期予後が期待できる症例がある、と報告させていただきました。今回の報告が、治療方針を検討する場面でご参考のひとつになればよいと考えております。この度は誠にありがとうございました。
日本臨床外科学会雑誌第81巻3号掲載
「噴門部癌術後のアミロイドーシスとNOMIの合併による空腸壊死の1例」
JCHO東京山手メディカルセンター消化器外科
柴崎 正幸他
今回は優秀論文に選んでいただき、編集委員会の皆様に大変感謝いたします。外科臨床の中では時として長らく消化器外科医として様々な経験を積んできていても、初めて見る手術所見や術後合併症に遭遇します。その際に今までの知識では対応できない事態に対しても様々な問題解決のための引き出しを持っていれば何とか対処できると思います。今回受賞した論文が日々外科臨床に奮闘している医師たちの引き出しの1つになれば著者としては幸いです。
日本臨床外科学会雑誌第81巻5号掲載
「CMV腸炎に続発したCPSによる出血性回盲部炎の1例」
東京都健康長寿医療センター外科
三井 秀雄他
このたびは令和2年度日本臨床外科優秀論文賞に選出していただき、誠にありがとうございます。全く思いもよらないことで、受賞の通知を頂いた時はすぐにはピンときませんでした。
当院は消化器内科、消化器外科が密接に連携協力する医療体制が整っており、今回の症例も消化器内科の先生方との協議もとに治療方針を決め、患者さまは順調に軽快されました。この賞は私個人にではなく関与していただいた全員に対するご評価と考えています。また論文作成にあたりご指導いただいた金澤外科部長にも感謝いたします。ありがとうございました。
日本臨床外科学会雑誌第81巻4号掲載
「伝染性単核球症による遊走脾の腫大に捻転を伴った脾破裂の1例」
伊達赤十字病院外科
水沼 謙一他
この度は、名誉ある賞をいただき誠に光栄に思います。貴重な症例を共に診療した先生方、論文作成のご指導をいただいた平野聡教授に、心より感謝申し上げます。脾臓の手術は病態や疾患において治療方針が異なる中、治療の妥当性を検討することで多くの学びを得ました。手術すべき緊急症例でありましたが、術式、施設の選択も重要であり臨機応変な対応が望まれます。地域の病院で、患者さんを救命し、論文の評価をいただいことは今後の診療へつながる大きな自信となりました。この度は本当にありがとうございました。
日本臨床外科学会雑誌第81巻5号掲載
「膵管走行を術前に把握し膵頭十二指腸切除術を行ったⅠ型門脈輪状膵の1例」
札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科
吉田 瑛司他
このたびは名誉ある賞をいただき,誠にありがとうございます。
門脈輪状膵は稀な形態異常ですが、本症例では、既報の症例や当科での過去の経験をもとに術前診断から綿密な手術手順を計画することができました。症例報告を通して経験を共有し活かす、症例報告の重要性を再認識致しました。今後、本論文も診療の一助となれば光栄です。
末筆ではございますが、執筆にあたりご指導いただいた竹政伊知朗教授をはじめ、木村康利先生、永山稔先生、今村将史先生、山口洋志先生、病理診断科の杉田真太朗先生、瀬川惠子先生に深く感謝致します。
日本臨床外科学会雑誌第81巻10号掲載
「難治性両側気胸をきたした乳腺紡錘細胞癌肺転移の1例」
仙台市立病院外科
吉田 茉実他
この度はこのような栄誉ある賞に選んでいただきありがとうございます。
今回の症例報告は私が初めて執筆した論文であり、右も左もわからない中でしたが、当院外科の貝羽義浩先生をはじめ、諸先生方に丁寧にご指導いただき、採択していただけました。先生方に心より御礼申し上げます。また、今回は症例報告でしたが、今後似たような症例を経験することがあれば何例かまとめて報告できればと思いますし、今回の賞を励みに、今後も執筆・投稿を重ねていきたいです。