更新日:2020年3月3日
6.そのほかの肛門疾患
痔以外の肛門周囲の病気としては、良性や悪性様々な疾患があります。
肛門癌
初期の出血や痛みの症状は、痔核や裂肛の症状に似ています。
直腸癌
当初痛みはありません。出血で気が付くことが多いのですが痛みのない出血という点では内痔核の症状に似ています。
悪性黒色腫
血栓性外痔核や通常の痔核に似ており、十分な観察と治療に際しても注意が必要な病気です。
潰瘍性大腸炎や直腸炎
当初の症状はやはり痛みのない出血です。炎症の程度には差があり、大腸内視鏡検査を含めた内科的な治療が必要です。
クローン病
口から肛門まで全消化管に炎症をきたす疾患で、下痢や腹痛の他、肛門部には裂肛や痔瘻に似た症状をきたします。多くは10代~30代の若年者で発症します。
直腸脱
肛門から脱出してくるという症状は内痔核に似ています。歩くだけでも脱出し、一年ぐらいの間に徐々に大きくなり同時に肛門括約筋の機能も低下してきます。
毛巣洞、膿皮症
肛門周囲や殿部の皮下に膿がたまり、徐々に周囲に広がっていく病気で痔瘻の症状に似ていますが別の疾患です。
尖圭コンジローマ
性感染症の一種で、ウィルス(ヒトパピローマウィルス)の感染により性器や肛門周囲や肛門の中に小さな隆起が多数できます。