更新日:2019年7月31日

2.大腸癌検診とその効果

大腸癌検診は40歳以上の男女が対象です。年に1回行われます。大腸癌の検診は便鮮血反応(多くは2日法)で行います。腺腫などポリープが存在する場合では20-30%、早期癌では30-60%、進行癌では80-90%が便潜血陽性となります。一方、逆に早期癌があっても60%弱、進行癌があっても10%弱は便潜血陰性と判断されています。すなわち便潜血陰性であれば絶対にポリープや癌が存在しない、というわけではないので、一回の検査だけでなく、定期的なチェックが望まれます。 また便鮮血反応陽性の人のうち、約6%の人に大腸癌が見つかったとする統計があります。

3.症状

大腸癌はポリープから癌になると言われ、ポリープ状の早期癌のときは症状がほとんどありません。目に見えない出血(潜血)をきたすことがあり、便潜血検査で陽性となることがあります。癌化し大きくなると出血が目に見えるようになり(血便・下血)、貧血を来すこともあります。癌が大きくなって大腸の内腔が狭くなると、便秘や便の狭小化をきたします。便がきちんと出せなくなると逆に下痢になることもあります。さらに進行して大腸が癌によって閉塞すると腸閉塞となり、この場合には腹部が膨満し、腹痛や嘔吐をきたすこともあります。また癌が大きくなるとお腹にしこりを触れることもあります。症状の出方は癌の発生場所により差があります。

症状と部位

4.大腸癌検査の流れ

大腸内視鏡(大腸カメラ)や注腸(バリウム検査)で大腸を調べ、大腸癌の診断や場所・大きさなどを診断します。さらに、CTなどで癌の広がりを検査し、進行度を診断します。

■大腸内視鏡
肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内側から観察します。大腸内のポリープや癌などの腫瘍を観察でき、腫瘍の一部を採取して良悪性の鑑別を行います。通常、検査にあたっては専用の水分下剤の内服(約2L)と食事制限が事前に必要です。

大腸内視鏡

■注腸検査
肛門からバリウムを注入し大腸の壁にバリウムと空気を付着させて大腸のレントゲンを撮影します。
病変の位置や形態、大きさなどを観察します。通常、前日に食事制限と下剤の服用を行います。

注腸

■CT
X線写真をコンピューターで合成し、断層画像を作成します。形態だけでなく一部では機能面を含めて臓器の詳細な情報を得ることが可能となります。大腸癌の状態(位置や大きさ、広がり)や転移の有無(リンパ節、肝臓、肺、腹膜など)を調べます。
また、CTコロノグラフィーと呼ばれる、CTを用いた大腸の3次元構築画像も構築されることがあります。

CTコロノグラフィー

 

必要により、腹部超音波、MRI、PETなどの検査を追加することがあります。

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