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日本臨床外科学会雑誌 第81巻3号 掲載予定論文 和文抄録


症例

乳癌を契機に診断されたLi-Fraumeni症候群の1例

横浜市立大学附属病院消化器・腫瘍外科学

柴田 侑華子 他

 Li-Fraumeni症候群(LFS)は,TP53 遺伝子の生殖細胞系列における病的バリアントにより乳癌,軟部組織肉腫,骨肉腫,脳腫瘍,白血病,肺癌,副腎皮質癌,消化器癌等種々の悪性腫瘍を発症する常染色体優性遺伝形式の遺伝性疾患であり,Chompretの診断基準が用いられる.放射線による二次発癌の恐れがあるため,治療法の選択や術後フォローを含むサーベイランスには注意が必要である.
 症例は27歳の女性.18歳時に右脛骨傍骨性骨肉腫,27歳時に左上顎軟骨肉腫に罹患.術後3か月フォローCTで右乳房外側に造影結節を認め,針生検で非浸潤性乳管癌(DCIS)と診断した.Chompret基準を満たすため,LFSを疑い遺伝学的検査を提案したが希望はなく,術前に確定診断には至らなかったもののLFSに準じて治療方針を決定した.右乳輪乳頭温存乳房切除術とセンチネルリンパ節生検,組織拡張器挿入術を施行した.術後1年半で遺伝学的検査に同意され,(NM000546.5(TP53):c.476C>A:p.Ala159Asp,de novo)を同定した.現在毎年の胸部MRIでフォローしている.

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乳癌骨転移との鑑別に難渋した潰瘍性大腸炎合併SAPHO症候群の1例

大阪府済生会吹田病院乳腺外科

梅嵜 乃斗香 他

 SAPHO症候群は滑膜炎、尋常性痤瘡、掌蹠膿疱症、骨化過剰症、骨髄炎を合併する疾患であり、骨病変は画像上骨転移との鑑別が必要となる。また炎症性疾患との関連が示唆されている。今回、乳癌骨転移との鑑別に難渋したSAPHO症候群の1例を経験したので報告する。症例は57歳女性。既往に潰瘍性大腸炎がある。2014年5月右乳癌に対して手術施行、浸潤径6mm大の乳頭腺管癌pT1N0M0 pStageⅠであった。術後ホルモン療法で経過を見ていたが、2016年12月より腰痛出現、PET-CT、MRIでL1-5、S1に病変あり、多発骨転移が疑われた。同時期に手足の湿疹を認め掌蹠膿疱症と診断された。術後早期の再発の可能性は低く、掌蹠膿疱症を伴う関節炎を認めているためSAPHO症候群を疑い、治療は変更せず経過観察とした。1年後のMRIで骨病変は改善傾向であり、2018年8月現在も再発、増悪は認めていない。

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偶発的に発見された非浸潤性小葉癌と非浸潤性乳管癌が併存した1例

JA山口厚生連周東総合病院外科

上田 晃志郎 他

 偶発的に発見される非浸潤性小葉癌(LCIS)は増加傾向にあるが,その取り扱いに関しては苦慮することがある.症例は44歳,女性.左乳房痛を主訴に受診した.視触診上,両側乳房に異常はなく,マンモグラフィは良性石灰化を認めるのみであった.超音波検査では右乳腺D領域に内部に高エコーを伴う境界明瞭粗糙で分葉形の腫瘤を認めた.針生検で線維腺腫およびLCISが疑われたため,腫瘍摘出術を施行した.病理組織診断は,周囲にLCISと非浸潤性乳管癌(DCIS)を伴う線維腺腫であった.いずれも断端陽性であったため,追加の乳房部分切除術を行った. LCISは一部断端陽性となったが,再々追加切除は行わず,温存乳房に対する放射線照射を行った.Tamoxifen citrateにて経過観察中である.

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陽圧胸腔鏡下に摘出した後縦隔神経節細胞腫の1例

名古屋第一赤十字病院呼吸器外科

市川 靖久 他

 症例は33歳男性。検診胸部異常影、無症状で当院紹介となった。精査にて椎体右側に沿って上下方向に11cmの境界明瞭、表面平滑な腫瘤をみとめた。腫瘤は、頭側は第10胸椎下縁から第2腰椎上縁の右腎動静脈下端まで進展していた。造影CT検査では比較的造影効果に乏しかった。神経原性腫瘍を疑い手術を施行した。CO2送気を併用し横隔膜を尾側へ圧排し視野を確保して胸腔鏡下に摘出を試みた。術前にAdamkiewicz動脈を評価し、術後の乳び胸にも備え手術に臨んだ。手術は左下側臥位、4ポートで開始した。交感神経由来と思われる腫瘍は交感神経幹に沿って頭尾方向に進展していた。頭側より順次尾側に進み下部では胸管に細心の注意を払った。最下部では腫瘍を頭側に強く牽引して操作を行い摘出した。手術時間155分、出血少量。術後軽度の乳び胸を発症したが、保存的に治療を行い軽快、第13病日に退院した。術後9ヶ月経過し、再発なく経過良好である。

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貧血症状を契機に診断された赤芽球癆を伴った胸腺腫の1例

加古川中央市民病院呼吸器外科

松本 高典 他

 症例は63歳男性.6ヶ月前から労作時の倦怠感を自覚していた.1か月前に立ちくらみを認めたため近医を受診した.貧血を認め精査目的に当院紹介受診した.精査にて赤芽球癆の診断となり輸血治療が行われた.精査中に胸部CTにて前縦隔腫瘍を指摘され胸腺腫が疑われた.院内で治療方針を検討し免疫抑制剤を開始する前に手術を先行する方針となった.手術は胸骨正中切開アプローチによる拡大胸腺摘出術を施行し術後の経過は良好であった.病理結果はWHO分類type ABの胸腺腫であった.術前は貧血のため複数回の輸血が必要であったが,術後の貧血の進行は緩徐であった.術後30日目に貧血の進行に対して輸血を行いシクロスポリンの経口投与が開始された.その後は貧血の改善を認め輸血なく経過した.赤芽球癆を合併した胸腺腫を経験したため,過去の本邦報告症例の考察を加えて報告する.

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集学的治療で術後21年生存中の肝転移・腹膜播種再発した胸腺腫の1例

浜松医療センター消化器外科

西脇 由朗 他

 症例は53 歳時に胸腺腫に対し拡大胸腺全摘術を受けた女性である。胸腺腫WHO組織分類のType B3+B2と診断された。9年後に肝腫瘍が見つかり肝左葉切除術を施行した。その6年後に残肝に再発したが、化学療法、放射線照射を行い、腫瘍は消失した。さらに2年後右卵巣腫瘍の疑いで手術を施行したところ、切除困難で生検から胸腺腫の腹膜播種(Type B3)と診断された。放射線照射により腫瘍は一旦消失するも、その2年後に別の場所に腹膜播種さらには肝転移が出現した。放射線治療が著効したが腹膜播種は残り、その後は多剤併用の化学療法を継続している。原発巣切除後21年、肝転移巣切除後12年が経過している。胸腺腫肝転移切除例の報告は極めて少なく、また腹膜播種巣への放射線照射の報告は皆無である。胸腺腫遠隔転移例でも積極的に外科的切除を行い、放射線療法の効果も高いので多剤併用化学療法も含めた集学的治療に努めることで長期生存につながる可能性がある。

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医療資源の限られた環境下で胸腔開窓術を行った銃創による膿胸の1例

国境なき医師団

関  聡志 他

 南スーダン北部地域の25歳女性.道路にて狙撃され胸腹部銃創にて病院に搬送となった.開腹手術および胸腔ドレーン挿入,射出創の胸壁閉鎖を行った.第10病日に膿胸を検知し胸腔ドレーンによるドレナージおよび抗菌薬治療を継続したが改善を認めなかった.第17病日に胸腔開窓術を施行したところ膿胸の改善を認めた.人工呼吸器や高流量酸素の設備はなく,呼吸状態の悪化も考慮して胸腔開窓術を施行するか否かの判断に難渋したが,医療資源の限られた環境下においても膿胸に対する胸腔開窓術は有効な治療の選択肢となり得ると考える.

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術後補助化学療法後2年間無再発生存中の肺原発紡錘細胞癌の1例

赤穂中央病院呼吸器外科

柳沼 裕嗣 他

 症例は60歳台男性.重喫煙者ではあるが,既往歴は特になし.約1ヵ月持続する右背部痛を主訴に近医へ受診,胸部X線写真で右上肺野に8cmの腫瘤を認め当科に紹介受診となった.経皮的針生検にて低分化の非小細胞肺癌と診断された.画像所見でもリンパ節及び遠隔転移は無く根治切除可能と判断された.右上葉切除+胸壁合併切除術を施行,縦隔リンパ節郭清はND2a-2まで行った.術後の病理診断では腫瘍は大型の紡錘細胞より形成され,免疫染色ではCK AE1/3が陽性,TTF1,p63,Synaotophysin,Chromograin A及び calretinin,D2-40が陰性であった.最終的には紡錘細胞癌,pT4N0M0と診断された.術後はcarboplatin+paclitaxelによる補助化学療法を4コース施行した.術後2年が経過したが,無再発生存中である.紡錘細胞癌の切除例および補助化学療法の報告は少なく,文献的考察とともに報告する.

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早期に胸管結紮術を選択した食道癌術後乳糜胸の1例

千葉県がんセンター食道・胃腸外科

田部 俊輔 他

 症例は72歳女性で,食道癌に対してESD治療を行ったが術後半年後に局所再発を来したため食道癌根治術を施行した.術翌日から胸腔ドレーンの排液量が1000 ml/日を超え,白濁をきたし乳糜胸の診断となった.サンドスタチン,エホチールにて治療を開始するも改善が得られず,サンドスタチンの副作用である嘔気により投与継続が困難となった.外科治療を行う方針とし小開腹,腹腔鏡補助下に胸管結紮術を施行した. 術後は著明に胸腔ドレーン排液量が減少し,再手術後2日目には排液量は500 ml/日以下となった.順調に経過し食道癌根治術から18日目に退院となった.食道癌術後の乳糜胸に対しては初期治療として保存的加療が選択されること多いが,有効でない場合には外科治療を含めた侵襲的処置が選択される.再手術は低侵襲とは言えないが, 早期に介入することにより在院日数を減らし食事開始までの期間を短縮し得ることから,適切な治療方針の転換が重要であると考えられた.

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"集学的治療にて発見後54カ月生存中の食道癌術後112aoPリンパ節再発の1例

国立国際医療研究センター病院外科

齋藤 範之 他

 症例は72歳女性.経口摂取困難にて当院を受診.胸部下部食道癌(UICC7th-cT3N3M1(#104R),cStageIV)の診断で,術前化学療法としてFP療法2クール後に,右開胸食道切除,3領域リンパ節廓清を施行.病理所見はUICC 7th-pT3N2M1(#104R) pStageIVで,再発のハイリスクと考え,追加の放射線療法(60Gy)を施行.術後7ヶ月のPET-CTで112aoPリンパ節に異常集積を認め,再発と考え,化学放射線療法(60Gy + FP療法2クール)を施行.その後weekly Paclitaxel療法を2クール追加し,術後61ヶ月で再発所見なく経過している.食道癌根治切除後の112aoPリンパ節再発の治療方針は難しく,今回は切除も考えたが,結果的には集学的治療にて長期生存が得られている1例を経験した.単発のリンパ節再発であったことが奏功したと考えられる.

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注型用ウレタン樹脂による胃内異物の1例

水戸済生会総合病院消化器一般外科・乳腺外科

杉  朋幸 他

 症例は42歳男性。自傷目的で注型用ウレタン樹脂(2液型)の主剤と硬化剤を計約500mlを服用した。6時間後、独歩で当院救急外来を受診した。腹部所見に乏しく、樹脂の自然排泄を期待し外来経過観察とした。2日後の再診時、腹痛、食思不振を訴えた。上腹部正中に硬い腫瘤を触知した。圧痛を認めたが、腹膜刺激症状は無かった。胸腹部骨盤CT検査で、食道下部から十二指腸球部にかけて蜂巣状でairの混在するlow densityの腫瘤を認めた。上部消化管内視鏡で除去を試みたが、硬いウレタン樹脂で除去は不可能であった。緊急手術を施行した。胃壁を切開し、食道下部から十二指腸球部にかかる硬化した型取りされたウレタン樹脂を分割して摘出した。主剤と硬化剤を混合攪拌すると硬化する注型用樹脂は、型取り用の資材として流通している。服用時は液体だが、体内で攪拌され硬化する為、外科的な摘出が必要になると考えられた。

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ステロイド治療中に発症した腹腔内遊離ガスを伴う胃気腫症の1例

堀川病院外科

川合 寛治 他

 症例は86歳男性.肺炎の診断で内科にて加療していたが,難治性のため特発性器質化肺炎が疑われ,第22病日よりステロイド治療が行われた.その後,臨床所見は改善したが,第31病日の胸部X線検査で腹腔内遊離ガス像を認めた.同日施行された腹部CT検査で腹腔内遊離ガスに加え胃壁内に気腫像を認め,外科へ転科となった.腹部症状はなく,全身状態の悪化も認めなかったため,十分な観察下に保存的治療を開始した.その後も全身状態に変化はなく,発症5日目の腹部CT検査で胃壁内気腫の消退と腹腔内遊離ガスの減少を確認した.発症6日目の上部消化管内視鏡検査では,胃体中部にびらん性胃炎を認めたが,粘膜壊死や潰瘍形成は認めなかったため,徐々に経口摂取を開始し回復期病棟へ転床となった.胃気腫症はまれな疾患で,なかでも薬剤に起因する症例や腹腔内遊離ガスを伴う症例の報告は少ないため,若干の文献的考察を加えて報告する.

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積極的な治療を行った胃癌術後脳転移の3例

山形県立中央病院外科

外田  慎 他

 胃癌脳転移は比較的稀であり,予後不良とされている.今回,我々は胃癌術後の脳転移症例に対し,積極的に治療を行った3例を経験した.症例:男性1例,女性2例だった.胃癌手術時の年齢中央値が61歳だった.胃癌の進行度はpStageIIICが2例,pStageIV(肝転移)が1例だった.脳転移再発までの期間は全例が12ヶ月以上だった.転移個数は単発が1例で,多発が2例だった.脳転移に対しての治療は2例が定位放射線治療を施行され,1例は手術を施行された.転帰は全例が癌死で,2例が脳病変の進行に伴う脳ヘルニアで,1例が肺病変の進行に伴うものだった.脳転移再発後の生存期間は, 27日,8ヶ月,9ヶ月だった.【考察、結語】脳転移再発後の予後は悪いとされていたが,比較的長期生存を認めた.脳転移病巣のコントロールが重要であり,治療可能な病変であれば積極的に治療を考慮すべきであると考えられた.

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術前診断に苦慮した異所性膵組織を伴う空腸重複腸管の1例

岐阜県立多治見病院外科

伊藤 雄貴 他

 症例は59歳女性. 下腹部痛を主訴に当院を受診した. 腹部造影CT検査で, 骨盤内に直径8cmの嚢胞性腫瘤と, 造影効果を伴う直径3cmと2cmの2個の充実性腫瘤を認めた. 小腸造影検査で, 骨盤内に嚢状に造影される病変を認め, 小腸との交通が示唆された. 小腸gastrointestinal stromal tumor (GIST)が腸管内に穿通したと診断し, 開腹手術を施行した. 術中所見では, Treiz靭帯より150cm肛門側の空腸に, 腸間膜対側から分岐する長さ15cmの重複腸管を認め, また球状型の重複腸管に隣接して弾性硬な結節を触知した. この結節を含めた重複腸管切除術を行った. 病理組織学的に充実性結節は異所性膵組織であることが判明した. 異所性膵組織を伴った空腸重複腸管は非常に稀であり, 文献的考察を加えて報告する.

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噴門部癌術後のアミロイドーシスとNOMIの合併による空腸壊死の1例

JCHO東京山手メディカルセンター消化器外科

柴崎 正幸 他

 80歳の男性で噴門部癌術後6日後にアミロイドーシスに非閉塞性腸間膜虚血症(nonocclusive mesenteric ischemia : 以下NOMIと略記)合併による空腸壊死を来し緊急手術を要した1例を報告した。再手術時に空腸は非連続性にまだら状に暗紫色に色調変化を来しており、肉眼所見のみでは切除範囲の決定が困難であったため、indocyanine green(以下ICGと略記)蛍光法にて腸管の viability を判定して空腸を85cm切除した。切除標本で空腸の粘膜下の血管にアミロイドの沈着による内腔の狭小化を認め、アミロイドーシスとNOMIの合併が壊死の原因と考えられた。NOMIにおける腸管壊死は範囲が不明瞭なことが多く、至適な切除をしないと腸管大量切除による短腸症候群や残存腸管の術後の壊死を招く危険性があり、注意を要する病態である。ICG蛍光法は微妙な色調変化を来した腸管の viability の判定に有用であったが、定量的な判定法ではないため虚血腸管の正確な診断に至るためには更なる検討が必要と考えられた。

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原発性空腸粘液癌の1例

国立病院機構京都医療センター外科

前田 杏梨 他

 76歳男性.検診にて便潜血陽性と貧血を指摘され当院を受診した.上・下部消化管内視鏡検査では異常は認めず精査予定であったが,精査前に心窩部痛で救急外来を受診した.緊急CTにて急性胆嚢炎と空腸腫瘤を認め,緊急胆嚢摘出術を施行した.空腸腫瘤は精査後二期的に手術を施行した.腫瘤はトライツ靭帯から30cm肛門側に存在し,腸間膜リンパ節腫大を伴っていた.術中迅速組織診で腺癌と診断し,小腸部分切除,リンパ節郭清術を施行した.腫瘍は輪状狭窄型,病理組織学的には粘液腺癌で,pT3/SS,N2a(5/8),M0,StageⅢB(UICC第8版)であった.術後補助化学療法を施行し,1年6か月生存中である.原発性小腸癌は全消化管癌の0.1〜0.3%,その中で粘液癌の占める割合は3.2%〜7%と極めて稀である.文献的には空腸粘液癌は輪状狭窄型が少ないため閉塞症状が出にくく,リンパ節転移は比較的少ない症例が多いが,自験例はこれらと異なる特徴を有していた.

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妊娠中に腹腔鏡下手術を行った急性腹症の3例

掛川市・袋井市病院企業団立中東遠総合医療センター外科

渡邉 夕樹 他

 妊娠中に外科手術が必要となる消化器疾患としては急性虫垂炎,急性胆嚢炎,腸閉塞などが多いとされる.近年の手術手技や周術期管理の向上に伴い,妊娠中の腹腔鏡下手術症例の報告は増加している.今回我々は妊娠中に腹腔鏡下手術を施行した急性腹症症例を3例経験した.症例1は34歳女性で妊娠15週目にCT検査で絞扼性腸閉塞と診断し腹腔鏡下腸管癒着剥離術を施行した.症例2は38歳女性で妊娠21週目に超音波検査と
 MRI検査で急性虫垂炎と診断し腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.症例3は23歳女性で妊娠26週目に超音波検査とMRI検査で胆石性胆嚢炎と診断し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.これらの症例につき診断方法やポート挿入方法・位置,カメラ選択などの工夫について報告する.

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潰瘍性大腸炎とサイトメガロウイルス腸炎を背景に発症した特発性気腹症

佐賀県医療センター好生館消化器外科

木村 直也 他

 症例は67歳男性。潰瘍性大腸炎に対する入院加療中に症状の増悪とともに腹部膨満を認めたため、腹部CT検査を施行したところ腹腔内遊離ガス像を認め、消化管穿孔の疑いで当科に紹介された。画像検査では著明な腹腔内遊離ガス像を認めたが、腹部所見としては腹部の緊満のみで、腹部所見は認めなかった。十分なインフォームドコンセントのもと経皮的な穿刺による脱気のみを行い、絶食管理下に補液と抗生剤投与を行った。入院後に行った上下部消化管内視鏡検査で明らかな穿孔部位を認めず、潰瘍性大腸炎に併発したサイトメガロウイルス腸炎を疑い抗ウイルス薬の投与を行った。経過中、腹部や炎症所見の増悪は認めず、入院後4日目より食事を開始し、入院後17日に転院となった。腹膜炎の症状を呈さない腹腔内遊離ガス像のうち、画像検査で穿孔部位が明らかでない場合は特発性気腹症の可能性もあるため、念頭におく必要がある。

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腹腔鏡手術後に発症した急性結腸偽性閉塞症(Ogilvie症候群)の1例

馬場記念病院外科

長谷川 毅 他

 症例は69歳,男性.嘔気・腹満感に対して精査を施行したところ狭窄を伴う下行結腸癌を認めた.経肛門イレウス管による減圧後に腹腔鏡下下行結腸切除術を施行した.術直後より腹満感が出現し,吻合部より口側結腸の著明な拡張と腸閉塞症状を認め,経鼻イレウス管挿入など保存的加療を施行したが改善を認めず,術後癒着性イレウスと考え術後23日目に手術を施行した.術中に器質的閉塞部は認めず,人工肛門造設術を施行した.再手術後に急性結腸偽性閉塞症(Acute Colonic Pseudo-Obstruction:以下ACPO)を疑い薬物加療施行するも胆嚢炎を併発し再度手術を要したが,その後,減圧および薬物治療にてイレウスは改善した.腹腔鏡下下行結腸切除術後にAPCOを発症した1例を経験した。APCOは開腹術後に起こった報告は散見されるが、腹腔鏡手術後に発症した症例は非常にまれである。近年,腹腔鏡手術が主流となってきており,このような報告は増えていくものと考えられる.

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S状結腸癌術後に発症した上腸間膜動脈症候群の1例

中野胃腸病院外科

村瀬 寛倫 他

 症例は58歳,女性.S状結腸癌の診断で高位前方切除術を行った.術後経口摂取良好であったが,8日目に頻回の嘔吐を認めた.腹部CTで上腸間膜動脈(以下SMA)の分岐が鋭角化し十二指腸水平脚が圧迫された所見と,胃及び十二指腸の液貯留を認め,SMA症候群と診断した.経鼻胃管による減圧と静脈栄養による保存的治療で改善した.左側大腸癌術後に生じるSMA症候群は,吻合の際に腸間膜が尾側に牽引され緊張がかかることによりSMA分岐角が鋭角化して十二指腸が圧迫され発症すると考えられる.左側大腸癌の術後早期のイレウスの原因として念頭におく必要があり,SMA症候群と診断が確定した場合はまず保存的治療が第一選択となる.

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大腸癌術後にPET/CT陰性から偽陽性に変化した異物性肉芽腫の1例

社会保険田川病院外科

木崎 潤也 他

 症例は82歳,女性.2013年12月,S状結腸癌に対しS状結腸切除術を施行し,当科外来にて経過観察していた.2015年12月にCEA 5.4ng/mlと軽度の上昇を認め,CT施行するも,再発所見を認めなかった.ご本人の希望もあり,2016年5月にPET/CTを施行するも,異常集積を認めなかった.2018年1月にCEA 9.3ng/mlと上昇を認め,同年2月にCT施行するも再発所見は認めなかった.しかし,CEA 10.3ng/mlと更に上昇を認めたため,PET/CTを施行したところ,左総腸骨動脈腹側にSUV(max) 4.3の異常集積を伴う小結節を認め,腹膜播種再発を疑った.S状結腸癌術後経過観察中のCTを見直すと,同部位に長径約9mm大の小結節をすべてのCTで指摘でき,PET/CT陰性から陽性に変化した小結節であると考えられた.診断と治療を兼ね,同年4月に腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的検査では悪性所見は認めず,縫合糸の周囲に膿瘍と炎症性肉芽組織の形成を認めることより,異物性肉芽腫(foreign body granuloma)と診断された.

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根治切除した直腸癌異時性孤立性膣転移の1例

名古屋掖済会病院外科

福井 史弥 他

 症例は69歳女性. 66歳時にRa直腸癌(半周性, 2型)に対して腹腔鏡下低位前方切除術を施行した. 病理所見はT3N0M0StageIIAで、補助化学療法は施行しなかった.術後2年7ヶ月で外尿道口に近接する3cm大の隆起性病変を認め, 生検で直腸癌膣転移と診断された. 尿道合併切除を伴う腫瘍切除, 膀胱瘻造設術を施行し, 切除断端は陰性であった. 術後3ヶ月に尿道再建術を施行し, 4ヶ月に膀胱瘻も抜去した. 術後補助化学療法は施行せず, 術後1年4ヶ月無再発生存中である.
 大腸癌膣転移は稀な症例で, 再発部位の解剖学的特徴から他臓器合併切除を要することも少なくないが, 適切な画像評価に基づいた術式選択を行い, R0切除が達成されれば良好な予後が期待できる.

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完全腹腔鏡下に切除した尾状葉肝血管腫(径10cm)の1例

福島県立医科大学医学部肝胆膵・移植外科学講座

岡田  良 他

 患者は56歳, 女性.健康診断を契機に最大径10cmの肝血管腫と診断された. 心窩部不快感と食欲不振が出現したため, 前医にて肝動脈塞栓療法を施行されたが, 腫瘍は縮小しなかった. 徐々に体重減少も出現したため, 手術適応と判断され, 当科紹介となった. 尾状葉から肝外に突出する巨大腫瘍を認め, 胃を左側下方に圧排していた. 完全腹腔鏡下肝尾状葉切除術を施行し, 術後合併症はなく, 術後第7病日に退院した. 再発なく社会復帰している. 難度の高い肝切除に対しても腹腔鏡手術の可能性を否定せず, 丁寧な剥離操作とPringle法などの基本操作を応用することが重要と考えられた.

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門脈合併切除再建を伴う肝切除を行った肝原発神経内分泌細胞癌の1例

小田原市立病院外科

秋山 貴洋 他

 症例は72歳、男性。閉塞性黄疸の診断で入院。画像所見では、肝前区域から肝門部に及ぶ腫瘍を認め、右肝動脈と門脈本幹から左枝水平部までの浸潤を伴っていた。胆汁細胞診では木目込み細工様配列を示す異型細胞がみられ、神経内分泌細胞癌が疑われた。右門脈塞栓術後に、肝右葉尾状葉切除、肝外胆管切除、胆管空腸吻合、門脈合併切除再建術を施行した。広範な門脈浸潤のため本幹と左枝水平部での再建が必要であった。病理所見では29×22 mm大の腫瘍がみられ、組織学的にロゼット形成を認め、免疫染色でクロモグラニンAなどの神経内分泌マーカーが陽性であり、肝原発神経内分泌細胞癌と診断した。また、Ki-67陽性率は47%(>20%) で、p53が陽性であったことから低分化型と判断し、術後はシスプラチンにエトポシドあるいはイリノテカンを併用する化学療法を選択した。高難度の肝切除術と術後の化学療法により延命効果が見られた。

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63歳女性の胆嚢管自然穿孔による腹膜炎の1例

東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センター

岡  智 他

 症例は63歳,女性.右下腹部痛で近医受診し,CT検査で肝表面から右下腹部の腹水を指摘され,精査加療目的で紹介となった.当初は血清アミラーゼ高値を認め膵炎の診断で治療を始めるも,その後のCT検査で腹水の増加,症状の進行あり審査腹腔鏡を施行した.腹腔内に多量の胆汁を認め,肝十二指腸間膜の十二指腸側に黒色変化,また断続的な胆汁の流出を認めた.開腹移行し,総胆管の膵内胆管移行部に1.5cmの範囲で壊死,穿孔を認め,膵内胆管まで剥離後中枢側を切離した.その際に内腔が2つ確認でき,低位合流の胆嚢管壊死,穿孔と判明した.胆嚢摘出術,肝外胆管切除術,胆管空腸吻合術を行い,術後経過は良好で退院した.術後の病理組織学的検査では,炎症は穿孔部から漿膜側主体に広がり,粘膜側の炎症は相対的に弱く,憩室性変化もしくは膵炎など胆管外からの炎症が波及した可能性があった.胆嚢管自然穿孔は稀であり文献的考察を含め報告する.

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胆嚢外瘻が有用であったBillroth II法再建後の胆石症の1例

医誠会病院消化器外科

森  至弘 他

 症例は94歳,男性.胆嚢・総胆管の拡張を伴う胆嚢結石・総胆管結石を指摘され,当院に転院.閉塞性黄疸を来していたものの,広範囲胃切除,Billroth II法+Braun吻合再建後であり,通常の器材での内視鏡的処置が困難なため,まずPTGBDを試みた.しかし,チューブを留置できなかったため,小開腹下胆嚢外瘻造設術を施行した.黄疸が改善したため,待機的にシングルバルーン内視鏡による内視鏡的胆管結石除去術および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.
 胆道ドレナージにおいて,第一選択は内視鏡的ドレナージであり,それが困難な場合は経皮経肝ドレナージが推奨され,外科的ドレナージが行われることはほとんどない.自験例のように,内視鏡的ドレナージおよび経皮経肝ドレナージがいずれも困難である場合に,胆嚢外瘻造設術が有効であることもあり,治療のオプションとして検討する価値がある術式と考えられた.

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一期的に切除したパラガングリオーマ併存胆嚢癌の1例

輝山会記念病院外科

原  修 他

 症例は79歳、女性.高血圧症にて通院中、心窩部痛にて受診.腹部造影CTにて胆嚢腫瘍と後腹膜腫瘍を指摘され、精査加療目的にて入院した.後腹膜腫瘍はリンパ節転移などの可能性もあったが、MRI画像と合わせて胆嚢癌とパラガングリオーマの合併例と考えられた.さらに、機能診断として、血液検査・尿検査などにてカテコールアミンの高値を認めたため、確診を得て一期的に手術を施行した.胆嚢癌根治手術に引き続き、パラガングリオーマの摘出術を施行したが、下大静脈の後面に存在し、細小血管の流入多く剥離に難渋し、術中に異常高血圧が一時的に生じた.しかし、術前に確診していたことから、麻酔医の適切な判断にて安全に手術施行することができた.パラガングリオーマは消化器癌との合併例は稀であるが、リンパ節転移などとの鑑別を十分に行い、術中のトラブルに備えることが重要である.また、悪性腫瘍の可能性もあり、癌とともに厳重な経過観察が必要である.

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妊娠中に発症し緊急手術した膵solid-pseudopapillary neoplasmの1例

熊本赤十字病院外科

田中 康介 他

 1.症例は22歳初産婦。妊娠20週目に強い心窩部痛を主訴に当院を受診した。腹膜炎所見はなく血液検査上も特記すべき所見はなかったが、腹部単純CT検査・単純MRI検査にて胃小弯と肝左葉に囲まれた領域に境界明瞭な腫瘤影を認めた。発生部位は特定できなかったが、強い腹痛のため妊娠継続に支障が出ると判断し緊急手術を施行した。開腹所見では膵体部に嚢胞状の腫瘤を認め、膵嚢胞性疾患と判断した。正常膵尾部はごくわずかであり、脾動静脈温存脾温存膵体尾部切除を施行した。病理診断でsolid-pseudopapillary neoplasm(SPN)の診断に至りプロゲステロン受容体の免疫染色が陽性であった。術後経過は良好で37週目に健常男児を経腟出産した。妊娠中に症状を呈したSPNは大変稀であり、文献的考察を加えて報告する。

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外科的切除を行った頭蓋内hemangiopericytomaの膵転移の1例

済生会横浜市東部病院消化器外科

植松 陽介 他

 症例は, 51歳女性. 頭蓋内hemangiopericytoma(以下, 頭蓋内HPC)に対して, 開頭腫瘍摘出術を施行し, その10年後の腹部造影CT検査で, 膵頭部及び膵尾部に造影効果を有する腫瘍を認めた. 頭蓋内HPCの転移性膵腫瘍が疑われたが, 膵神経内分泌腫瘍の可能性も考えられたため, 膵尾部の腫瘍に対して超音波内視鏡下穿刺吸引を施行した. その結果, 頭蓋内HPCの転移性膵腫瘍の診断となった. 膵頭部, 膵尾部の病変に対して, 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術及び, 尾側膵切除術を施行した. 病理組織学的には, これらの病変の組織像が頭蓋内HPCに類似しており, HPCに特徴的なSTAT6の核内陽性像を認めたため, 膵頭部, 膵尾部の病変はともに頭蓋内HPCの転移性膵腫瘍の診断となった.
 術前に頭蓋内HPCの転移性膵腫瘍と診断し得た症例に対して, 膵頭十二指腸切除術及び尾側膵切除術を施行した1例を経験したので報告する.

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早期胃癌術後再発を疑った腹腔内デスモイド腫瘍の1例

武蔵野赤十字病院外科

石川  葵 他

 デスモイド腫瘍は特異的な画像所見に乏しく診断に難渋する例も多い.症例は45歳男性.M領域の25mm大の早期胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除 D1+リンパ節郭清 R-Y再建を施行した.術後診断は胃癌,M,Ant,adenocarcinoma,por and sig>tub2,pT1b1,ly2,v0,
 N2(3/29),M0,R0-pStageⅡAであり,術後補助化学療法としてS-1療法を8コース施行した.術後3.5年のCTで挙上空腸盲端近傍に15mm大の腫瘤を認め腹膜播種を疑ったが遡及的に見ると術後2.5年のCTでも同部位に5mm大の腫瘤が確認できた.緩徐な発育であることから腹膜播種再発以外の可能性も念頭に置き開腹腫瘤切除,審査腹腔鏡を施行した.腫瘤は大網に被覆されていたが周辺臓器への浸潤は無く切除可能であった.病理組織学的には腹腔内デスモイド腫瘍の診断であった.術後20か月(2019年8月)無再発生存中である.

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緊急手術を行った白線ヘルニア肝円索嵌頓の1例

坂出市立病院外科

長尾 美奈 他

 症例は57歳,女性.10年前から白線ヘルニアを指摘されていたが時折自覚する上腹部正中の膨隆以外に症状なく経過していた.3日前から続く上腹部の膨隆と疼痛を主訴に当院を受診した.腹部CT検査で膨隆部の腹壁に約1cm大のヘルニア門と脂肪成分に包まれた臍静脈の脱出を認め,白線ヘルニアの肝円索嵌頓と診断した.用手還納は困難であり緊急手術の方針となった.開腹下に行い,ヘルニア門の修復は単純縫合閉鎖とした.術後経過は良好で術後9日目に退院となった.白線ヘルニアの肝円索嵌頓例は本邦での報告は自験例を含め4例と非常に稀であり,術前診断に難渋した報告例もある.白線ヘルニアに対する予定手術では,腹腔鏡手術やメッシュ使用の報告が増加傾向にあるが,臓器嵌頓に対する緊急手術は自験例と同様に開腹下の腹壁縫合閉鎖によるヘルニア根治術の報告が多く,今後は緊急手術時の腹腔鏡手術やメッシュ使用の有用性を検討する必要性があると考えられた.

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バイパス術が有効であった坐骨動脈狭窄遺残併存血栓閉塞症の1例

大阪市立大学心臓血管外科

野田 和樹 他

 症例は66歳女性. 100mの歩行時に右下腿痛を自覚し, 2週間後に前医を受診した. 下肢動脈造影検査にて両側遺残坐骨動脈と右側の血栓閉塞を認めた. 下肢超音波検査にて新鮮血栓を認めたため, 血栓除去術の適応と判断され当科転院となった. 右膝上膝窩動脈を露出し, 大腿および下腿の血栓除去術を施行した. 大腿骨頚部レベルで遺残坐骨動脈の狭窄を認め, 同部位より中枢側の血栓除去は困難であった. 経皮的バルーン血管形成術を併施し終了した. 術後7日目の造影CTにて狭窄部位からの再閉塞を認めたため, 右総大腿-膝上膝窩動脈バイパス術を施行した. 術後症状は消失し, バイパス術後13日目に独歩退院となった. 遺残坐骨動脈の狭窄を伴った血栓閉塞症に対して下肢バイパス術が奏功したが,このような症例ではバイパス術を施行すべきであると考えられた.

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