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一般のみなさま
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山本 伸 会員(東京女子医科大学病院 消化器病センター)撮影
2016年4月 江戸 大櫻

更新日:2019年5月27日

(14) お金のことで困ったら

食道がん治療では色々な治療を組み合わせるため、治療費が高額となります。治療後も通院を要するため、お金の問題に直面しなければなりません。「高額療養費制度」や「介護保険」などの、医療費の負担を軽くする社会的な制度があります。ここではこれらの制度を説明します。

一定の金額を越えたら戻ってくる「高額療養費制度」とは?

ひと月に支払う医療費の自己負担額が高額になったとき、ぜひ利用したいのは「高額療養費制度」です。これは、医療費が一定の金額(自己負担限度額)をこえたとき、こえた分が払い戻される制度です。公的医療保険に加入している人なら、だれでも利用できます。自己負担限度額は、年齢や収入によって異なります。

ただし、同一医療機関で計算し(医療料が異なる場合は分ける)、入院と外来は分けて考えます。また、次のような条件があります。

  • 自己負担、保険適応外の薬材や医療技術は対象にならない
  • 同じ月内に、同一世帯で21000円以上の自己負担が複数あるときは、合算して自己負担限度額をこえた分が払い戻される
  • 同じ人が、同じ月内に2つ以上の医療機関にかかり、それぞれの自己負担額が21000円以上あるときは合算し、自己負担限度額を超えた文が払い戻される
  • 「高額療養費制度」の手続と活用法

    利用するための手続きは、加入している公的医療保険の窓口で行うのが原則です。通常は、医療施設で請求された額を支払ったあと、書類をそろえて申請し、対象となる医療費の、自己負担限度額を超えた分の払い戻しを受けます。所属する会社で手続きをしてくれる場合や、自動的に申請書を送付してくれる保険団体もありますが、念のため自分で申請したほうが安心です。

    ふつう、払い戻しには申請から約3ヶ月かかりますが、「高額医療費の現物給付化」といって、医療機関ごとの窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができる制度があります。この制度を利用したいときは、事前に各保険の申請窓口(全国健康保険の各都道府県支部、国民健康保険は市区町村の国民健康保険課、組合健康保険は各健康保険組合)に「健康保険限度額適用認定書」を提出すると、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受けられます。医療機関の窓口に、その認定証と被保険者証を提出すれば、支払う自己負担額限度額内になります。

    65歳未満でも「介護保険」が利用できる人とは?

    介護保険といえば、65歳以上の人が利用するものと思い込みがちですが、40歳〜65歳未満の人でも、条件を満たせば利用することができます。それは、脳血管疾患や関節リウマチなどの老化が関係する病気を持っている人、あるいはがんで、医師が「治癒困難・不可能」と診断した状態にある人です。利用するときは、65歳以上の人と同じように、「要介護認定」を受ける必要があります。

     要介護認定されれば、原則1割負担で介護サービスを受けることができます。利用できるサービスには、自宅で受ける「居宅サービス」と介護施設などに入所して受ける「施設サービスがあります。

     がんの人の場合、居宅サービスがメインになることが多いようです。居宅サービスには、訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問入浴介護など、ホームヘルパー、看護師、理学療法士などが自宅を訪問するだけでなく、日帰りで施設を利用するデイサービスや、施設に短期間入所して利用するショートステイがあります。

     その他、車椅子や電動介護ベッドなどの福祉用具の賃貸や購入費の支給、手すりやスロープのとりつけなど、自宅を改修するための費用の支給といったサービスも利用できます。

    ただし、要介護度(要支援2段階、要介護5段階)に応じて、利用できるサービスの内容や支給額の上限が決められています。限度額を超えた場合は、自己負担となりますが、「高額医療・高額介護合算療養費制度」を利用することで、自己負担限度額を超えた金額の払い戻しを受けることができます。

    病院における患者さん支援

    がんの治療は長期にわたることがあり、不安や疑問な点があると思います。各病院では、がん相談支援センター総合サポートセンターなど(各施設により名称は様々です)があり、対応しているところが多いと思います。これまで説明してきた社会制度の利用や申請、さらには治療中に何かお困りのことがありましたら、ご気軽にご相談ください。

    昭和大学 がん相談支援センター・総合サポートセンター

    (写真は昭和大学 がん相談支援センター・総合サポートセンター)