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一般のみなさま

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関川 敬義会員
(加納岩総合病院 外科)撮影
2014年11月 河口湖にて
更新日:2016年5月20日

(7) 乳癌と診断されたら

癌の広がり診断

  • 乳癌の遠隔転移と局所の進展を検討します。
  • 自覚症状、視触診、マンモグラフィ、超音波検査などで遠隔転移を疑わせる場合には、胸腹部CT(図7.1)や骨シンチグラフィを行う場合があります。CTで内臓、リンパ節、骨転移の有無を調べます。骨シンチグラフィで全身の骨転移の有無を調べます。遠隔転移の疑いがなければCTや骨シンチグラフィを実施する意義はありません。
  • 乳癌の局所進展の検査は超音波、乳房MRI検査(図7.2)で行い、乳房切除か乳房部分切除術(乳房温存術)のどちらがよいのか決定できます。

病期分類

  • 病期(ステージ)(表7.1)とは、癌がどの程度進行しているかの尺度で、大まかな治療方法の決定と予後予測(表7.2)ができます。
  • 今までの検査で治療前の病期診断をおこないます。
  • 病期は0、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの5段階になっています。
    表7.1 各病期の特徴
    病期0 癌そのものを切除するだけで治癒するごく早期の状態です。
    病期Ⅰ 腫瘍径が2cm以下でリンパ節転移のない癌の状態です。
    病期Ⅱ 腫瘍径が2cm以上あるか、リンパ節転移が少数ある癌の状態です。
    病期Ⅲ 遠隔転移はないものの乳房局所で非常に大きくなった癌の状態です。
    病期Ⅳ すでに遠隔臓器に転移している癌の状態です。
  • 病期が0やⅠは早期乳癌であり、手術主体で治療を計画します。
  • 病期ⅢやⅣであれば薬物治療主体で計画します。
表7.2 病期分類と10年生存率
病期 症例数 10年相対生存率(%)
1412 93.5
2133 85.5
492 53.8
227 15.6
相対生存率:対象疾患以外の死亡の影響を調整した生存率

国立研究開発法人国立がん研究センター
2016年1月20日プレスリリース
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20160120.html

医師に聞いておきたいこと

乳癌と診断されたら、以下のようなことは聞いておきたいものです。

  • どの程度進行した癌なのか
  • 治療方法は
  • 治療期間は
  • 今後の見通しは
  • 仕事への影響は
  • 治療費は

これらは、最初から医師が説明できるものではありませんが、検査中や治療開始前には聞いておきたいものです。

乳癌と告知されると、頭がボーとなって医師の説明がわからなくなってしまう場合があります。このような場合、再度、別の日に説明してもらうのがよいでしょう。その際には、誰かと一緒に来る、乳癌の勉強をして来る、聞きたい内容をメモしてくるなどした方がよいでしょう。乳癌は急激に悪化しないので、十分納得いくまで説明してもらった方がよいと思います。

また、乳癌に対する色々な自分の考え、思いも話すべきです。

治療は医療者だけで実施するのではなく、患者と共同で実施していくものです。

セカンドオピニオン

乳癌の検査や治療方法について他の医師の意見もきいてみたい、または医師の説明に納得できない場合には、セカンドオピニオンといって、他の医師の意見をきいてみるのもいいでしょう。

セカンドオピニオンを依頼する場合には、何を聞きに行きたいのかを明確にして、担当医に自分の依頼したい病院や医師への紹介状を書いてもらってください。

単に「セカンドオピニオンに行きたい」では意味をなしません。

また転院するということではありません。

セカンドオピニオンは自費で予約制になっている施設が多く、あらかじめ連絡をとってから受診してください。