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一般のみなさま

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比企 直樹会員
(がん研有明病院 消化器外科)撮影
2015年5月  都会に咲く花

3) 医療費はどのように使われているのでしょうか?

すでに述べたように、わが国の医療の特徴として、

  1. 病床数が多い
  2. 在院回数が長い
  3. 薬剤価格が高い
  4. 薬剤の使用量が多い
  5. 材料価格が高い
  6. 検査が多い
  7. 受診回数が多い

などが挙げられています。これらはいずれもが医療費の増加につながる要因となる事は確かです。

医療費のうち約3分の1が、薬剤費と材料費として使われています。約10兆円が製薬会社や医療機器、材料のメーカーの収益となるので、実際に診療所や病院が使っているのはせいぜい年間20兆円程度ということになります。製薬会社や医療機器会社は、厚生労働省が決める世界一高い販売価格に守られて、大きな利潤をあげています。一方、病院や診療所は、低く設定された診療報酬、度重なる診療報酬引き下げで経営は大変苦しくなっています。特に病院の経営は危機的状況で、自治体病院の90%、国公立病院の80%、民間病院の25%が赤字であると言われます。国公立病院の統廃合が行われ、自治体病院の売却や、中・小の民間病院の倒産や閉鎖が続いています。

病院閉鎖まで行かないまでも、不採算診療科の廃止や病棟閉鎖などで、産科、小児科、救急医療が危機的な状況にあることがマスコミでも度々報道されています。

厚生労働省は、医療制度改革で、診療報酬を下げ、病床数を減らし、在院日数を減らし、受診回数を減らすことによって、医療費を削減しようとしていますが、これらはいずれも病院や診療所や、患者及び家族に負担と犠牲を強いることとなり、ひいては医療の質や安全性をも脅かしかねない危険があることを認識しておくべきでしょう。