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一般のみなさま
投稿写真

万代 恭嗣 会員(JCHO東京山手メディカルセンター)撮影
2015年10月 磐梯吾妻スカイラインから磐梯山を望む

更新日:2019年6月5日

はじめに

お腹の痛みは、日常生活で誰もが時々経験する症状です。以前、娘に「頭痛」と「胸痛」、「腹痛」から想像できる病気の名前を挙げてもらったことがあります。突然の頭痛から連想した病名は「脳卒中」、激しい胸痛は「心筋梗塞」。いずれも命に関わる病名を挙げました。そこで、急にお腹が痛くなったら?の問いに対しては、「急性胃腸炎かな?」との返事でした。

ちなみに娘は医療従事者ではありません。「脳卒中」や「心筋梗塞」は、一般の方でも重篤な病気であることを知っていますが、「急性胃腸炎」で命を落とすことがあったら?と娘に質問したら、「そんなことは有り得ないでしょ」と言われてしまいました。同じ質問を医学部の学生に聞いたことがあります。やはり、頭痛は「クモ膜下出血」、胸痛は「心筋梗塞」と、娘と同様の答えが返ってきます。そして腹痛の原因は?と聞くと、「急性虫垂炎、胃潰瘍」などの病名が挙がってきます。つまり、頭痛・胸痛・腹痛の三つの中で、腹痛だけは、医学生も一般の人々も、あまり生死に関わる症状とは考えていないことが伺えます。

クリニックや病院を訪れる患者さんの中で、「腹痛」を訴えて来院される方はたくさんいらっしゃいます。一般に救急外来を受診される患者さんの5~10%が「腹痛」の患者さんと言われています。病院を受診して検査を受ければ、すぐに診断がつくと思うかもしれませんが、実は、その診断は必ずしも容易ではありません。腹痛をきたす病気の種類が極めて多いことが理由のひとつですが、同じような症状で、軽症の急性胃腸炎の患者さんがいるかと思えば、一方で、腸に流れている動脈という血管が詰まってしまう腸間膜動脈閉塞症という生死に関わる重篤な疾患の場合もあります。

このコーナーでは、腹痛の原因にどんな病気があるのか、クリニックや病院を受診した時には、どんな問診(質問)や検査を受けるのか、また、どんな治療法があるのか、など皆さんと一緒に勉強してみましょう。

目次

1.腹痛の原因となる病気は?

2.症状からみた病気の特徴を知ろう!

3.病院を受診してみましょう!

4.救急外来を受診するときに注意することは?