更新日:2020年3月3日

2.痔の発生に関連する因子

痔の発生に関連する因子

私たち2本の足で直立歩行する人間では、肛門が心臓より低い位置にあるので下半身や肛門部分はうっ血しやすいと言えます。また重力に逆らって直腸の便が出ないように止めるために、四つ足歩行の動物に比較して肛門括約筋が発達しています。また排便そのものにしても、日常の生活の中の様々な事柄が便の性状(形)や排便の機会などに影響をきたします。例えば食生活や飲酒、旅行などの環境の変化や、社会生活の規律やストレスで便の性状や排便タイミングが変化することを皆さんも経験されていると思います。さらに便意があっても状況により、排便を我慢することもあります。このように日常の排便という行為そのものが、肛門の様々な病気や症状の発生に大きく関連します。

理想的な排便とは

「便意があってトイレに行くと、軽いいきみで残便感なくすっきりと出る」のが理想的です。
お腹の中の便を出し切ることは不可能で、あくまで直腸にある便だけしか排泄できませんので、長時間強くいきんで便を出そうとすることや、便意が無いのにトイレに行き排便しようとすることは肛門の病気の原因になります。「1日1回必ず」などという排便回数だけで便通の善し悪しは判断されるものでもありません。

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