編集委員会報告

(1)編集委員の退任について

土岐 彰先生が2022年4月30日付で編集委員を退任され,5月1日付で編集顧問になられた.

(2)編集委員の委嘱

浮山越史先生(杏林大学医学部小児外科学教授)が2022年4月1日付で会長より編集委員を委嘱された.

(3)投稿規定改訂について

  1. ① 医師以外共著者規定について
    現行の会則では「会員は医師で」との制約があり,投稿規定の見直しが図られた.従来は非会員であっても病理医,放射線科医等の診断医は2名まで許容していた.この枠内の対象を広げるため職種の表現を「医師以外の医療系専門職者等」とした.当該共著者数は従来通り2名以内として,論文作成における役割の申告書提出を求め,書式は自由とし,筆頭著者と当該診療科の責任者の署名・捺印を必須とする.
  2. ② 論文種別「特別寄稿(投稿)」の新設について
    従来,「特別寄稿」は(依頼)のみであったが,これに新たに(投稿)を設けることとした.特別寄稿(投稿)は著者が編集委員会宛に投稿の旨を通知し,編集委員会が受領,掲載の意義についての審議を行う.意義が認められた場合,編集委員会より追って指示がされるので,その指示に従い,査読を受ける.投稿方法は,投稿規定「Ⅲ.原稿の送付」参照(通常投稿で使用している査読システムScholarOne Manuscriptsは使用しない).
  3. ③ 「Ⅷ.本誌既掲載論文の英文雑誌等への投稿」の一部内容の削除,集約
    従来の「Ⅷ.本誌既掲載論文の英文雑誌等への投稿」の『外科学雑誌における論文の投稿ならびに出版に関する合意文書-二重投稿ならびに不正投稿防止のためのガイドライン-』が現在も有効であるかは定かでなく,時代の趨勢に応じて以前に改訂した「IX.本誌における論文重投稿・掲載,模倣等の判断とそれへの対応ならびに罰則」の「(A)1.重投稿・掲載の判断」の中に記載したICMJEの条項と矛盾する点があるため,これらの内容を一部削除,集約し,新たなⅧとした.

(4)学会雑誌電子化について

近い将来,学会雑誌の冊子体での発行を終了し,電子化へ移行するという基本方針のもと,学会会長,副会長,編集委員長,財務委員長,広報委員長同席で,6月末に印刷会社からのプレゼンをうけ,検討した.課題点・問題点をクリアでき次第,移行期間を設け,新たなシステムの導入に向け着手していく予定.

(5)綜説掲載について

会員の外科臨床実践に資するため,近年外科診療面で確立されつつある新しい治療法や考え方等を,「綜説」として掲載し会員に提供している.本年は第83巻4号に小児・心臓血管・呼吸器・外傷領域,第83巻6号に肝胆膵領域,第83巻7号に乳腺・内分泌領域,第83巻10号に上部消化管領域(予定)の綜説を掲載した.

(6)委員構成

委 員 長 宇田川晴司        
副委員長 橋口陽二郎        
委  員 明石 定子 石原聡一郎 浮山 越史 岡本 高宏 小野  聡
金子 公一 幸田 圭史 小林 宏寿 齋浦 明夫 佐々木 愼
佐田 尚宏 佐野 圭二 志田 晴彦 杉田  昭 須並 英二
田邉  稔 鍋谷 圭宏 野村 栄治 福内  敦 船橋 公彦
村上 雅彦 由利 康一      
編集顧問 泉雄  勝 細田 泰之 大原  毅 小平  進 跡見  裕
炭山 嘉伸 草野 満夫 加藤 抱一 小原 孝男 横森 欣司
日置 正文 万代 恭嗣 平澤 博之 小野寺 久 貞廣莊太郎
國土 典宏 杉山 政則 望月 英隆 熊谷 一秀 小西 敏郎
金子 弘真 石川  進 高山 忠利 土岐  彰  

(7)委員会の開催

2022年 回:1月12日 回:2月16日 回:3月16日
回:4月20日 回:5月18日 回:6月22日
回:7月13日 回:9月14日 回:10月12日
10回:11月16日 11回:12月21日(予定)

(8)会誌の発行状況

①第83巻8号まで発行済(8月末日現在).
②投稿から掲載までの時間は,原著約7カ月,臨床経験約6カ月,症例約6カ月を要している.

(9)投稿論文の推移



種別
平成30
(2018)
令和元
(2019)
令和2
(2020)
令和3
(2021)
令和4年(2022)
(8月末日現在)
原著 38
(5)
〈13%〉
22
(5)
〈23%〉
29
(8)
〈28%〉
20
(3)
〈15%〉
22
臨床経験 17
(8)
〈47%〉
25
(10)
〈40%〉
32
(18)
〈56%〉
25
(13)
〈52%〉
12
症例 679
(353)
〈52%〉
596
(353)
〈52%〉
651
(355)
〈55%〉
561
(328)
〈58%〉
314
合計 734
(366)
〈50%〉
637
(320)
〈50%〉
712
(381)
〈54%〉
606
(344)
〈57%〉
348
( )内は採用論文数,〈 〉内は採用率.

(10)掲載論文数と頁数

巻(年)

種別
79巻
(2018)
80巻
(2019)
81巻
(2020)
82巻
(2021)
83巻(1~8号)
(2022)
綜説 8 6 6 11 7
原著 8 5 8 2 4
臨床経験 5 13 14 13 9
症例 355 314 297 320 213
Letters to the Editor 2 0 0 0 0
支部・集談会抄録 42 38 35 26 16
合計 420 376 360 372 249
頁数 2589 2325 2565 2329  
増刊:総会抄録 914 961 633 1556  
総頁数 3503 3286 3198 3885  
  1. ※種別「綜説」には,“綜説”以外に“学会賞受賞記念講演”“総会会長講演”“特別寄稿”の掲載論文数を加えています.
  2. ※82巻(2021)「増刊:総会抄録」は,従来の1頁あたり6演題から2演題に段組み変更により頁数が増加しています.

(11)2022(令和4)年度優秀論文賞候補論文の選考

過去1年間に本誌に掲載された論文の中から優秀論文賞を贈呈している.例年通り編集委員会において最終候補論文を選考して幹事会に答申し,幹事会での協議の結果,本年は原著1編,臨床経験1編,症例報告6編に贈呈することになった.
 
1)原著
第83巻8号
 BRCA1/2遺伝学的検査保険適用拡大後の検査施行症例の検討と今後の課題
…昭和大学外科学講座乳腺外科部門  成井 理加他
2)臨床経験
第83巻2号
 妊娠中の急性虫垂炎に対する虫垂切除術
…福岡赤十字病院外科  畑井三四郎他
3)症例
  1. ①乳腺・内分泌領域
    第82巻11号
     乳癌術後の傍腫瘍性神経症候群による脊髄炎の1例
    …山口県立総合医療センター外科  藤井 雅和他
  2. ②上部消化管領域
    第83巻5号
     二期的食道再建を前提に大動脈グラフト大網被覆をした大動脈食道瘻の1例
    …三井記念病院消化器外科  武内  寛他
  3. ③下部消化管領域
    第83巻6号
     8年間空置した小腸・大腸に多発したCrohn病合併炎症性腸疾患関連癌の1例
    …JCHO東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター  古川 聡美他
  4. ④後腹膜・腹壁領域
    第83巻7号
     Endoscopic component separation を併施した巨大鼠径ヘルニアの1例
    …聖隷浜松病院ヘルニアセンター  宮木祐一郎他
  5. ⑤肝・胆・膵・脾領域
    第83巻6号
     十二指腸分類不能紡錘腫瘍の1例
    …名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学  山中 雅也他
  6. ⑥心血管・呼吸器・小児・救急・その他領域
    第83巻7号
     人工血管感染に起因した感染性冠動脈瘤の1例
    …明石医療センター心臓血管外科  三里 卓也他

>> 投稿規定ページへ

ページトップ